山田詠美(新潮社)
今年、結婚10周年を迎えるので、結婚がテーマの本を一冊読みたいと思っていた。
で、それは『A2Z』がいいかなと思っていた(ちなみにサイン本。握手もしてもらった。2000年の初版本だから、、げ!17歳の時)。
そしたら同じ作者の最新作に出逢ってしまった。
有名料理研究家の妻、年下の夫、そして妻の助手かつ夫の恋人。
交わっているようで交わらない、3人の微妙なバランスの関係が、少しずつその味わいを変えていく。
久々のエイミーワールド。
う、さすが、、と唸りながら読み進め、惜しみつつ読み終わってもその唸り声が止まらなかった。
中高時代、夢中になって、あるいは憧れを持って入って行ったその世界。
やはりそこには知的で、ユーモアのセンスにあふれていて、真剣に不真面目で、でも自分の倫理は譲らない、大人の女性がいた。
もしかして、20年経ってもそこにたどり着いていないことを再確認しただけ?
それでも、読めてよかった。
私にとっては今もなお極上の世界です。
に、しても、さすらいの男とは笑わせてくれる。ものは言いようってやつ?でも、考えてみれば、男と女の親密な関係って「ものは言いよう」で成り立っているようなもんだ。好きに理由なんていらない、なんて嘘。自分だけが納得出来る好きの要素を積み重ねて、相手をかけがえのない存在に仕立て上げるのだ。
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